僕が今ラブライブフェスに行くということ

半年ほど、ラブライブを離れていた。
離れていたというのはそのままの意味で、アニメを観ず、楽曲を聞かず、各種情報をチェックせず、言ってみればラブライブに特に興味がない人とほぼ同じ状態だ。半年ほどと書いたが、具体的にはAqours5thライブの後である。
 
サンシャイン劇場版、そしてAqours5thライブを経て、僕のラブライブという作品への向き合い方は大きな転機を迎えた。そこに描かれていたのは、世界はつづいていくということだった。
作品を追う、享受するというあり方から、作品から受け取ったものをどう自分の人生にしていくかというステージに進んでいった。僕自身の人生がラブライブになったのだ。いや、ラブライブにするのだ。僕自身の手で。
 
その結果、逆説的にというか、ラブライブのコンテンツそのものを追うことが自分にとって必ずしも必要でなくなった。
 
このタイミングでたまたま、PassCodeに出会った。PassCodeというのは2013年大阪で結成されたアイドルグループである。ジャンルとしてはラウドロック、パワフルなバンドサウンドと激しい曲展開、目の覚めるようなシャウト等々を特徴とし、精力的にライブを行なっている。見てもらうのが早い。
PassCodeとの出会いはたまたまGoogleがサジェストしてきた VERSUS PASSCODEPassCodeが例年主催している対バンツアー)の告知記事だった。そのサムネイル画像に何かを感じた僕は、その場でSpotifyPassCodeを検索、最新アルバムを聴いてみた。なんだこれは。一曲目のPROJECTIONで魂を深めのところを鷲掴みにされ、あ、これはハマるやつだという確信があった。YouTube公式チャンネルで各種MV、ライブ映像を漁った。ちょうど夏のボーナスも出た頃だったので、ライブBDも迷わず買った。深みに踏み入っていくのにそう時間はかからなかった。ライブ参戦を決意した。
 
 
さて、ライブ映像を少しでも見てもらえれば分かるが、PassCodeのライブは激しい。各種のライブ的行為が同時多発的に起こっており、フロアがぐちゃぐちゃになるタイプのやつである。ラブライブで客席のうるささにはかなり耐性があるが、アリーナ系会場の指定席しか経験のない僕には、心理的ハードルはけっこうあった。でも行ってみるしかない。だってときめきに出会ってしまったから。
 
 
PassCodeの初現場は、出会いのきっかけとなったVersus PassCodeの大阪公演@なんばHatchとなった。BAND-MAIDとの対バンだ。ちなみにBAND-MAIDも好きです。 *1
そのまま10月からのツアーへの参戦を決意した。参加を重ねるごとに少しずつ身体の使い方がわかってきた。フロア前方を攻められるようになってきた。自分が音楽に合わせて身体を動かすことがこんなにも好きだったのだということを初めて知った。
 
推しと接近できないタイプのオタクだったが、意を決して握手会にも行った。*2 推しの手は人間の手だった。推しと握手しても世界は崩壊しなかった。 *3 ちなみに僕の推しは南菜生という女である。南菜生を人に説明するときいつもちょうどいい画像がないのだが、とりあえずインスタを見てください。 
 
シャウトに憧れ、毎週ヒトカラで練習した。*4 最初は毎回喉を潰していたが、だんだんシャウトらしい音が出せるようになってきた。喉の奥行きを使うのだ。できなかったことが練習によりできるようになるという体験はいつも何度でも尊い
 
本当に僕はまだ自分のことを全然知らなくて、知るためにはやってみるしかないのだ。心にさざ波が起きたなら、踏み出してみるしかないのだ。僕は彼女たちにそう教わったから。
 
2020/1/13(祝)、PassCode CLARITY Plus Tour Final Day2 @新木場Studio Coast、見事2日間ソールドしてみせたその会場で、推しは2021年日本武道館でのライブを目指すことを宣言した。奇しくも成人の日だ。今までこうした具体的な目標の宣言を行なってこなかったPassCodeが、勝負に出たのだ。それはどれほどの覚悟だっただろうか。僕は泣いた。PassCode歴半年だが泣いた。つづくIt’s youでいよいよ号泣した。*5 It’s youはPassCodeで一番好きな曲だが、言葉の一つ一つがあまりにこれまでの、そしてこれからの彼女たちの物語そのものだった。ようやく僕は It’s you という曲を本当に聴けたのかもしれない。
 
 
実はPassCodeのツアーの追加公演とラブライブフェス初日が被ったのだが、ラブライブフェスに行く。正直かなり迷ったが、このツアーファイナルを受けてかえって決意が固まった。僕自身も次の場所へ向かうため、自分の出発点を確かめる必要があるのだ。2020/1/18(土)、さいたまスーパーアリーナにきっとそれはあるだろう。彼女たちに会えるのだ、もう一度。僕が初めてLIVEというものを体験したあの場所で。
 
予習は間に合わないだろう。虹ヶ咲はマジで聴けてない。でもたぶんそれはあまり重要なことではないのだ。ラブライブに人生を跡付けられた今の僕がそこに行くということが重要なのだ。そういうことにしておく。
 
自分の人生がどうとか言っておいて、別のアイドルにハマっとるだけやんけと言われればまあその通りなのだが、PassCodeにハマることができたのもラブライブのおかげだと信じている。ラブライブを通じて多様なジャンルの音楽に触れていたこと、ライブ現場の経験、そして何より起こってしまったときめきを否定しないマインドだ。
 
何を言いたいのかよく分からなくなったが、推しの武道館宣言を受けて何かしらPassCodeを布教する行為をしたかったのと、ようやく自分の中でラブライブPassCodeを接続する何かが書けそうな気がしたので、久しぶりに筆をとってみた次第である。
 
では、さいたまスーパーアリーナPassCode現場でお会いしましょう。

*1:ちなみにそもそもPassCodeの記事がサジェストされたのも、対バン相手であるBAND-MAIDを一時期集中的に聞いていたためと思われる。すべての出会いはつながっているのだ。

*2:握手会前に気を鎮めるために作った短歌です。

 推しに触れることを思えばてのひらに刻まれいたる無数の溝よ
 推しの前に肉体として立つことの無謀な光 さらされている
 推しの眼は動物の眼の一種だと 惑星のごと丸みを帯びぬ

*3:握手会後の短歌です。

 初めての推しとの握手を終えて見る空のどこかに探すひび割れ
 ぢつと手を見るなどという経験がかくして私にも訪れり

*4:PassCodeでシャウトを主にやっているのは今田夢菜さんという方である。今田夢菜さんは壮絶なシャウトをするが、たぶんとってもマイペースな女の子である。夢菜さんがしゃべるときの息継ぎのリズムが大好きです。

*5:僕が号泣してるときにリフト要求してきたやつは許さない